なによりもすばらしいのは、
自分とは異なる経験や
背景を持つアーティストと
一緒に過ごせることです。

Ichirouさん

ブラジル連邦共和国
出身

Question 1

来日された理由を
うかがえますか?

よい漫画づくりに欠かせない、ストーリーテリングの技術を向上させたいからです。日本の漫画市場で、編集者にサポートされながら制作することで、それが実現できると考えました。

それと、来日し、私の出身国ブラジルと異なる文化圏で生まれた作品に数多く触れることは、知識や経験の大きな源になると思いました。手塚治虫の初期作品がディズニーの作品から多くの影響を受けたように、異文化の作品のすぐれた点を吸収し理解することは、自分の作品を向上させ、より普遍的なものにすることができると信じています。

Question 2

日本の、
熊本・阿蘇の印象は
いかがですか?

山々に囲まれた、美しく静かな場所です。私が住んでいたブラジルの都心部では見られなかった景色です。自然に囲まれての散歩は、安らぎとアイディアに満ちています。
また、私の出身国ブラジルは年中暑く、時期によっては創作に集中できないほどですが、阿蘇は私にとって快適に過ごせる気候です。

Question 3

入居している熊本の
アーティストビレッジ
阿蘇096区は、
漫画を描く環境としては
いかがですか?

住環境、
食事についての
感想も
うかがえますでしょうか?

すぐれた環境です。いちばんよいのは、さまざまな国から来た、自分とは異なる経験や背景を持つアーティストたちと一緒にいることです。出会うとは思ってもみなかった人たちと対面し、友人となって話すことができるのは、貴重な体験であり、大きな刺激があります。
そして、アイディアや作品に対する、編集者からのフィードバックがしっかりある点もすばらしいと感じます。ブラジルにも編集者はいますが、日本と異なり、こまやかなフィードバックが作家に対して行われることはありません。

設備面でも、アーティストビレッジはすぐれています。最高のデジタル機材、およびアナログツールも提供されます。熊本にいる編集者たちはとても協力的で、いつでも相談にのってくれます。さらに、必要であれば東京の編集者にも簡単にアクセスすることができます。

食事は、プロの料理人が1日に必要な栄養を考えて提供してくれます。メニューも充実しています。また、おにぎりや惣菜類が常備されているため、決められた食事の時間以外にそれらを食べることも可能です。

Question 4

ここでの
一日の過ごし方を
教えてください。

朝10時から仕事を始めて、だいたい閉館の18時まで施設にいます。昼食と夕食の時間には、さまざまな国から来た他のアーティストと再会し、一緒におしゃべりをしたり、食事をしたりします。とても豊かな経験です。

Question 5

今後の目標は
ありますか?

読者を魅了する作品を描けるように、漫画制作の技術を高めたいです。

Question 6

入居を
考えている人に
メッセージを
お願いします。

移住には勇気と冒険心が必要です。しかし、漫画の仕事に没頭したいのであれば、アーティストビレッジを訪ねることをおすすめします。あなたのキャリアに必要な支援が得られるはずです。ここでは、すべてがあなたのために用意されており、あなたは自分のプロジェクトに集中することができます。

映画『エンジェルサイン』で映像化もされた、
Ichirouさんの作品

『Father's Gift』

試し読みhttps://smacmag.net/v/sma2/fathers-gift-by-ichirou/

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